統合失調症の急性期へのケアの手法として「オープンダイアローグ」という対話手法があることを知ったのは2023年1月あたりだったかもしれない。100分で名著『中井久夫スペシャル』を監修した斎藤環の解説にオープンダイアローグが紹介されていた。それが私が最初にその言葉を目にした時だった。当時はそんな手法があるんだな、くらいの関心しか抱かなかった。
しかし統合失調症の薬物療法を続けて1年半くらいが経ち、薬物療法に限界を感じていたところ、再度どこかでオープンダイアローグについて耳にし、言葉の力で統合失調症が治るという点に非常に驚いた。実はまだ信じきれていないところがある。ただ実際に良いエビデンスを出しているというのだ。それで動画や本などでオープンダイアローグについて学び始めている。
当事者を疎外しない、どの過程でも当事者の合意を得る、当事者の尊厳を守る、チームで行い、とにかく傾聴する、それだけで統合失調症が治るならこれまで薬物療法に頼り切ってきた精神医学はどうなるのだろう、と思う。
私はこのケアの手法を受けてみたい。友人の当事者たちも受けてみたいと言っていた。急性期に行われるとのことなので、私のような消耗期の陰性症状に有効なのかどうかは分からないが、試してみたいと思う。私のように認知機能が激しく低下した当事者にも有効なのだろうか、研究を進めてほしい。
何でもかんでも薬に依存するという時代は終わりに近づいているのかもしれない。民主的な人間関係こそが病を治していくという可能性に未来を感じる。
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