
44年生きてきた私には、沢山のよい思い出がある。病気になるまで、私は幸せなことが多かったし、家族仲もよく、楽しい日々を過ごしていた。
病気になり、制限が多くなると、幸せより不幸せの方が目につくようになったが、それでも私は今も生きて、美味しいコーヒーを飲んだり、美味しい食事をしたり、心動く音楽を聴いたりすることができる。
前の、健常者時代の私に伝えたいことがあるとしたら、もっとひとつひとつのことを丁寧にあじわっておけばよかったということ。昔の私は自分が置かれている環境も、受けている幸福も当然のものだと思っていた。本当はかなり恵まれていたのにもかかわらず、全くわかっていなかった。その点はただ愚かだった。何もかも高速でぶっちぎっていた気がする。
今の私は制限があるので、あまり多くのことはできないし、ゆっくり過ごしている。今はこんな過ごし方しかできない。この速度で、小さな思い出を作っている。今年の私は、静かに過ごしたけど、今年はいい年だったように思っている。これまでの人生で積み重ねてきたいくつもの思い出たちととともに、私はゆっくり進んでいく。



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